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転校生

 転校生は人気者である。それがいつまで続くのかは分からないが、瞬間的にはクラスの注目を集めることができる。新学期が始まった。教室では夏休み中の思い出話でワイワイガヤガヤ。「いつもより先生遅いなあ」、なんて思っていた時にクラスではお調子者で賑やかな友達が「転校生だ!、転校生だ」と駆け込んで来た。一斉に廊下に顔を出すと、先生の後ろに隠れてその姿は良く見えないが、明らかに子供の存在は確認できる。

 先生に連れられて来たのはやはり転校生だった。先生が黒板にその子の名前を大きく書く。「今度、お父さんの仕事の都合で転校して来た、・・・」。「お父さんの仕事の都合」。私には全く馴染みのない言葉であるが、この手の理由で転校して来る子は結構転校慣れしていたりする。休み時間にはその子を取り囲んで、早速質問タイムが始まる。こんな感じで転校してきた場合は人気者になれるが、それに引き換え、去っていく側への注目は、あっという間に衰退してしまう。まあ、別のところでは転校して来た側として扱われるから良いか。転校した場合は、夏休みの宿題とかやらなくて良いのかな?。

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