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エンドボール

 ポートボールをご存じの諸氏は多いことだろう。バスケットボールの低学年版とでも言うべきであろう。ゴールのリンクはない。ゴールには椅子に載ったゴールマンが控えており、そのゴールマンに味方からのボールが渡れば得点となる。ゴールマンとは地味な役目である。たまにボールがそれて、ボールをつかんでも椅子から落ちてしまっては得点にならない。それでブーイングが出ても困ってしまう。地味なだけでなく、損な役回りでもある。

 ゴール前にはゴールマンを邪魔するガードマンというのがいる。彼は攻撃に参加する事ができないばかりではなく、指定されたエリアから出ることも許されず、ゴールへのボールを邪魔するだけの仕事に終始する。ただ背が高いという理由だけで、ゴールマンやガードマンは決められてしまうこともしばしば。これまた悲しい。
 このポートボールは小学四年生で習う。これは今も昔も変わっていないようだ。ちなみに私の場合、小一ではころがしドッヂボール、小二では中当てドッヂボール、そして小三ではエンドボールを習った。我が子に聞いてみたが、これは知らないということだった。エンドボールとはポートボールの更なる簡易版である。コートの両エンドライン部分に幅二メートル程のエリアが設けられている。ゴールマン用の椅子などない。ゴールマンはそれぞれのチームに二人いて、このエリアを自由に動き回れる。

 ポートボール同様、エンドボールもゴールマンに味方からのボールが渡れば得点となる。エリア内を自由に動き回れる分、ポートボールのゴールマンよりもエンドボールのゴールマンの方がまだ良いかもしれないが、ゴールマンが地味な役所であるのはあまり変わりない。既に大人社会の縮図がその中にあったのかもしれない。

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