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こんな子いたよね

 紅白帽子のつばの部分を上に向けて頭に被り、「ウルトラマン」というのをやったことあるかな?。私はある。このとき手はスペシュウム光線の形にしなくてはならない。あご紐があるとうまくできない。子供に聞くと今もそんな子供はいるらしい。実に三十数年間もこのギャグは受け継がれている。いや、私達以前からあったに違いない。きっと、昭和四一年(ウルトラマンデビューの年)の小学生から受け継がれていることだろう。受け継がれていると言ったが、先輩が後輩に教えているわけではないだろうから、それぞれが自発的にやっているというのが正しいかもしれない。

 似たような小学生のギャグに「修行」というのがある。プールに入る前にシャワーを浴びるが、そこで滝に打たれる修行層の真似をして、「修行」と言うギャグだ。きっと今もそんな子供がいるに違いない。これはどのくらい以前から存在するギャグなのだろうか?。これまた、それぞれで自発的に発生して繰り返されているに違いない。

 一年生になってプールの時間となると、海パン姿+水泳キャップにバスタオルをマントにし、廊下を走り回る友達がいた。何のつもりか分からないが、そのマントからして、何らかのヒーローのつもりなのだろう。しかし、そんな格好のヒーローなどいない。マントと言い、海パン姿と言い、この非日常的なスタイルが、ヒーローへの変身を促したことだろう。

 夏休みのプール開放日となると、学校で着替えるのが面倒なので海パンをズボンの下にはいて行くこともしばしばあった。すると、決まって、帰りのパンツを忘れて来る奴がいる。逆に忘れ物として、パンツが出て来ることがあるが、その当事者はどうやって帰ったのだろうか?。きつく結わいたウエストの紐が水に濡れてほどけなくなったので、そのまま海パンのまま帰って、パンツを忘れてしまったのか?。極めつけは、家から海パン姿でやって来る奴だ。もちろん上半身は裸である。そして、本当は禁止されている自転車でやって来る。その自転車にはカゴが着いていないので、バスタオルはマントとなって風になびいていた。
「ウルトラマン」ネタや「修行」ネタはこんな彼らによって、連綿と繰り返されていると思う。

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